McLaren F1 |
名称 | マクラーレン F1 | ||
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生産年 | 1991年 〜 生産中 | 生産台数 | 最高300台程度 (月産38台) |
全長 | 4288mm | 全幅 | 1820mm |
全高 | 1140mm | ホイールベース | 2718mm |
エンジン | |||
形式 | 水冷60度V型12気筒DOHC | 排気量 | 6064cc |
最大出力 | 627ps以上/7500rpm | 最大トルク | 66.3kg-m以上/5600rpm |
最高速度 | 371km/h(参考値) | トランスミッション | 6段M/T |
その他 | |||
燃費 | 不明 | 価格 | 約1,600,000マルク(約1億円) |
マクラーレンはF-1チームとして、1965年にニュージーランド人のF-1ドライバー、
ブルース・マクラーレンによって設立された(当時は「ティーム・マクラーレン」だった)。
ブルースは1969年にCAN-AMカーの開発中に事故で死亡してしまったが、
それ以降もレース活動は続けられ、
1980年には南アメリカ人(イギリス国籍)のロン・デニス率いるレーシング・チーム
「デニス・プロジェクト・フォア」と合併、
「マクラーレン・インターナショナル」社となって以来、
現在ではイタリアの名門「フェラーリ」と互角に戦えるほどに成長した。
しかし、フェラーリにあってマクラーレンにないものがあった。
それは自社製のロードスポーツカーだった。
それを打開すべく、F-1カーの設計者、
ゴードン・マーレーと、その仲間たちの4人にF1の設計を依頼した。
資金は無尽蔵にあり、
カーデザインのすべての権限を与えられたマーレーらが作られたのが「F1」である。 外見上の大きな特徴は、 せみの羽のように開くガルウイングドアや、真中に運転席がある横3列シート、 エアロダイナミックなフォルムなど、 ただの車でないことが一目でわかるだろう。 しかし、そのボディーカウルの中はさらにすごい。 とても複雑な形状で、F-1マシーンの何倍も手間のかかる カーボン・コンポジット・モノコックに、 BMWモータースポーツ社が手がけた、 627馬力(ギネス記録)を発揮する6.1リットルV12エンジンをボルト・オン。 さらに、横置きの6段ギアボックスを組み合わせるという、 F-1マシーンそのままの手法を用いられている。 各部の素材にもこだわっており、 主にアルミ合金製のエンジンには、チタン、カーボン、 はてはすさまじいエンジンからの発熱を防ぐために触媒やフード裏側には純金によるメッキが施されており (サンバイザーまでカーボン製)、 しかもそれらの金属パーツのほとんどが NC制御のマシニング(削りだし)加工で作られている(ホイールのエアバルブキャップまでも)。 また運転席はF-1と同じくセンターにあり、両サイドシートは 前ホイールアーチの分だけ運転席よりも後方にオフセットされている。 さらにBMWモータースポーツ社製のV12エンジンのパフォーマンスはリッター100馬力を超え、 1143kgという破格の軽量ボディーとあいまって、 ギネスブックによる世界記録を上回る370km/h以上(参考記録のため、未認定)のスピードを出すことが可能だ。 しかも、このような驚くべき高性能であっても、 F1はサーキットでしか見ることのできないレーシングカーではない。 F1は公道を走ることができる普通自動車であり、 それは世界でもっとも高性能な量産車の一種である。 ただし、その分値段も高めで、日本円にして約1億円もするが、 これは製作にかかる手間と素材コストから考えれば赤字必死の大バーゲン価格である。 また、これとは別にレース用の「マクラーレン F1 GTR」もあり、 がいけん上ではリアエンドが長く、ウイングも取り付けられているなどの違いがある。 もちろん内部も競技に不必要な物(オーディオなど)は取り外されるなどの手が加えられている。 生産費用を無視し、妥協を許さず、 ただ「最高」のみを追及して作られたスーパーカー、 それが「マクラーレン F1」である。 |
写真撮影場所 | : | |
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写真撮影年月日 | : | |
参考文献 | : | 「CAR magazine」 第200号 ネコ・パブリッシング |