きんきょ〜

過去の出来事

Thu Mar 2009

  • 今日はインタラクション2009に行ってきました。発表するネタはなく、残念ながら見る立場としてですが。その中で、招待講演として東芝RDシリーズのUI設計を行っていたひとの話を聞きました。当時はHDDがないDVD録画専用のビデオデッキというのが割とポピュラーだったのですが、東芝はHDDへの保存をメインに据えたデッキを開発したわけです。HDDは何十GBもの容量があるので、DVDデッキとは桁違いにたくさんのコンテンツを格納できます。そういったコンテンツを効率的にブラウジングするために行ったUI設計上の工夫などについて語られました。多くは今では当たり前の方法だったりするのですが、ほとんどはDVDデッキでは必要とされないインタフェースだったりするわけで、当時は影も形も存在していない。それをいかにして発案したのか、という部分が語られるのかと思って聞いていたら、実はその人は以前、ビデオ編集のためのソリューションの開発を手がけた経験があったらしく、その中で大量のコンテンツを効率的に扱うインタフェースというものに関してある程度のビジョンを得ていたとのこと。なーんだそれじゃあ結局直接的な経験が大切っていうことなんだ、と。もっとこう、時間とコストがない中で、何度もユーザテストを繰り返し、最も良い回答を見つけるためのいろいろな工夫、みたいなのが語られるのか、と個人的に期待してたのでちょっと残念でした。だって普通、全く新しいものを作り出すってことはそれまでの経験が全く生かせないという状態な訳なのに、この人はそうじゃなかったって訳で。正直自分には参考にならない。ただ現在のRDのUIに施されている様々な工夫はおもしろいと感じた。
  • 昨日、バーチャルリアリティで世界的に権威のある東京大学の舘先生の最終講義を聴いてきました。様々な分野において中核となる概念を生み出すことができたのは、ずっと最先端で仕事をすることを心がけていたからだ、と。ずっとトップの場所にいれば自然と発想もトップになる、ということだけど、それって普通は無理なんじゃない?そもそも最先端に到達することすら常人にはかなわないのに・・・と終わった後に一緒に聴いていた自分の先生に話したら、曰く「最先端かどうかは後になってからわかる」と。現在見えている最先端に到達するように努力する、というのはわりとわかりやすいし実行しやすい行動戦略だけど、最先端はどんどん先に進んでいってしまうのであとから目指しても絶対に到達はできない。それよりは全く別な新しい何かを始めた方がいい。最初はどうってことない研究が後に花開いたとき、初めて自分が最先端にいることはわかるんだ、と。。。でもそれって、結局花開かなかったらどうするんですか。花がつぼみのまま枯れてしまうことを見越して何個も何個もネタを育てることがやっぱり必要なんだろうな。

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